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\ event report / 講談まるまつ亭_2023年12月12日・13日

昨年に引き続き、二回目の開催を迎えさせていただいた講談まるまつ亭。
たくさんの方のお力添えをいただき、満員御礼にて幕を閉じることができました。
皆さまに心より感謝申し上げます。

去年は初雪が下りるほど冷え込みましたが、今年は一転秋のような暖かさに。
心配していたお天気も次第に晴れに変わり穏やかな2日間となりました。

初日は神田京子さんと貞橘さんによる長講です。
おふたりは大学の先輩後輩という長い関係もあってか和やかな雰囲気に心温まりました。

ですが釈台に向かう貞橘さんは柔和な雰囲気とは一転、静かに響く語り口に。
滔々と読む様からは講談の芯を垣間見るようです。
淀みない声と軽快な張扇の抑揚が耳心地よく、ゆっくりとその世界に足を踏み入れていく感覚を覚えました。

登場人物の生き様が色を帯び、目の前に浮かび上がってくるように語られる京子さん。
ころころと豊かに変わる表情は寄せては返す波のようで、自身の感情と重ね合わせ心揺さぶられます。

おふたりの対照的な話芸が何ともさっぱり気持ち良く、いつまでも聞いていたくなる長講の夜でした。

2日目は京子さんのお師匠 神田陽子さんがお越し下さり三人会での開催です。

陽子さんの小柄なお姿からは想像できない爆発的な話芸に皆が釘付けになりました。
観る人を一瞬で深いところへ連れ行き離しません。
茶目っ気たっぷりな陽子さんに魅了される方も多かったのではないでしょうか。

講談師個々の視点から語られるひとりの人生、ひとつの文化は、史実に新しい光を当てるようだと感じます。

どう生きるか、まっとうさとは何か。
講談のなかで“魂の気高さ”というふうに伝えて下さいましたが、そんなことをじっくり考える時間になりました。

開演前後、仲入りでは中国・台湾茶の茶日月さんとまるまつ食堂のお茶菓子や手土産をお楽しみいただきました。

茶日月さんが用意して下さったのは京子さんをイメージして作られたという”バラのミルクティー”。
甘く華やかな香りが広がり身体もじんわりと暖まりました。

また阿東にある山内農園さんからは芸農プロジェクトの新米が届き、この季節らしいお品書きが揃っていました。

皆さんお喋りや撮影を楽しまれ、とても賑やかなひとときに。
猫ちゃんも様子を覗きにくるほどでした。

講談まるまつ亭が掲げる“ハレとケのあいだ”。
変わらず皆さまの暮らしの先に続くことを願っています。

また会場の皆さまからいただいたアンケートもよくよく拝見しております。
夏の怪談噺を実現できるよう来年も励んでいきますので、今後ともどうぞご贔屓にお願いいたします。

そして最後に、演者さんとスタッフの力の源になってくれた食事たちをご紹介します。
今年もゴトウパンさんのパンとまるまつ食堂のお弁当に支えられました。
ご馳走さまでございました。